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「バランスシート調整に関する政策委員間の見方の相違」

 25日に発表された8月10、11日の金融政策決定会合議事要旨の中において、バランスシート調整に関する政策委員間の見方の相違があったようである。

 金融経済情勢に関する委員会の検討の中での海外の金融経済情勢について、「多くの委員は、在庫調整が終了し、政策効果が一巡した後の海外経済の改善ペースと持続性には、依然として不確実性が大きいと述べた」とある。

 これに関してある委員は、「今回の信用バブルの崩壊が実体経済に影響を与えてきた経路を、バランスシート調整と流動性危機に始まる信用収縮との2つに整理し、最近の景況感の改善は、後者が各国の政策対応等を通じて収まってきたことの表れと評価される」と述べた。

 その上で、この委員は「今後はバランスシート調整が焦点となるが、調整には時間がかかるため、先行きの景気回復テンポは緩やかかつ不確実なものとならざるを得ない」と述べた。

 これに対して別の委員が、「バランスシート調整に相応の時間を要するのは確かであるが、これが経済に与える影響度合いの評価に当たり、90年代の日本の経験を直接当てはめる形で悲観的な見通しを立てることが適当かどうかは、議論の余地がある」と付け加えていた。

 この2人の「バランスシート調整」に関する委員の微妙な見解の相違に注意したい。今後の景気回復について悲観的に見ている市場関係者などは前者の委員の見方に近いのではなかろうか。反対に今後の景気動向を比較的楽観的に見ているむきは後者の委員の見方に近いのではなかろうか。

 そして議事要旨には、「この間、何人かの委員は各国で講じられている積極的な財政・金融政策が、やや長い目でみると世界経済に過度な振幅をもたらすリスクや、経済に新たな歪みを蓄積させるリスクについても指摘した。」とある。

 「この間」という表現が面白い。後者の委員は前者の委員の意見に「付け加えた」とあるが、実際にはこの2人の委員はかなり活発な議論を交わした可能性がある。そして「その間」に他の委員から上記のような意見も出されたのではないかと推測される。

 結局、今後のバランスシート調整について、日本と同じ轍を踏むのか。そして各国の積極的な財政・金融政策がどの程度経済に振幅をもたらすのか、といったところが今後の経済の先行きを占う上での大きなポイントとなることは確かである。
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by nihonkokusai | 2009-09-29 09:37 | 日銀 | Comments(0)
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