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「鳩山新政権への期待と懸念」

 9月16日に鳩山新政権が発足した。閣僚人事はベテランを配し、民主党内の勢力関係や参院に配慮するなど、結局は自民党型の人事であったように思われる。しかし、あまり斬新な人事を行なってしまうと政権基盤そのものが不安定化してしまうリスクもあるため、ある意味妥当な人事であったかと思う。

 その中にあって金融市場関係者が注目していたのは、財務相と金融担当相の人事であった。その財務相は多くの市場関係者が予想していたように藤井裕久氏が就任した。ところが、金融担当相は予想外の亀井静香氏が郵政問題担当も兼務して就任したのである。

 藤井財務相は初閣議後の記者会見で、政府と日銀の関係について「政府が金融政策に介入すべきではない」と述べ日銀の独立性を尊重する考えを示した。また、為替政策について、輸出のために円が安ければいいという考えは違うと指摘し、為替介入について常識的な範囲ではあり得ないと述べた。

 政府と日銀に軋轢が生まれると日銀が適切なタイミングで金融政策を行なえなくなるリスクがある。米財務省とFRBの関係などを見ても、政府は中央銀行に対して独立性を認める姿勢を強めており、新政権でも日銀の独立性については認める姿勢を示したことは金融市場にとり安心材料ともなる。

 また、経済の財政再建のあり方について藤井財務相は、「財政のために経済をつぶしてはいけない」としながらも「(財政に)野放図でもいけない」とし、財政健全化目標の重要性を指摘した(以上、ロイターより)。財政健全化の長期目標はストラテジーであり、国家戦略局の大きな仕事とも述べるなど、大蔵省出身だけに財政健全化路線も継続され、これは債券市場にとり好材料となろう。

 これに対して、亀井静香氏の金融・郵政担当相の就任は懸念要因と見ざるを得ない。亀井郵政問題・金融担当相記者会見で、中小企業による借入金や個人の住宅ローンなど銀行への返済に一定の猶予期間(モラトリアム)を設ける制度の導入について法案化した上で10月の臨時国会に提出する方針を示した(ロイター)。

 もし、これが本当に実施されれば金融機関の収益を圧迫する可能性があり、また本来退出すべき企業を延命させてしまうというモラルハザードの問題も出てこよう。

 また、亀井氏が郵政担当相を兼ねることで郵政民営化路線が大幅に見直されることは必然であり、時計の針が戻される懸念がある。金持ち優遇批判への観点からの証券優遇税制の廃止などが懸念されるなど、株式市場には大きな逆風となることも想定される。

 鳩山政権は財政については重視するが、金融についてはリーマンショックもあり、また行過ぎた市場主義を是正するため、さほど重きを置いてこない可能性もあり、これは今後、金融市場にとり大きな懸念材料となるかもしれない。
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by nihonkokusai | 2009-09-17 10:20 | 債券市場 | Comments(1)
Commented by 亀井すっぽん at 2009-09-19 09:33 x
反改革派の執念深い亀井静香は連立政権の郵政・金融担当相として日本を後退させる意欲十分である。
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