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「リーマン・ショックから1年」

 本日でリーマン・ショックからちょうど1年が経過した。1年経過すると当時の記憶もやや薄れかけてきてしまうため、ここで当時の状況を振り返ってみたいと思う。(拙著「金融のことがスラスラわかる本」の原稿より一部抜粋)

 2008年1月18日に証券化商品を保証していたモノラインと呼ばれた金融保証会社が資本調達難から格下げされた。サブプライム・ローン問題の発生後、モノラインそのものの格下げによって、他の証券化商品や米地方債市場などにも混乱が広がった。

 3月14日に証券化商品を大量保有していた投資銀行のベア・スターンズが資本調達の失敗から資金繰りに行き詰まり、FRBの資金支援のもとJPモルガン・チェースに買収された。

 6月に入り米国で金融株に対して空売り規制が強化され、これをきっかけにヘッジファンドが組んでいた米金融株売り、原油先物買いのポジションの撒き戻す動き強まり、NY原油先物価格は7月11日につけた147.27ドルをピークに急落した。

 7月13日には政府系住宅金融公庫が経営危機に陥り、政府の資本注入などで経営再建を図ることになった。

 そして9月15日、証券化商品により大きな損失を抱えていた投資銀行のリーマン・ブラザーズが、資本調達や身売りに失敗し経営不安に陥り破綻した。大規模金融機関が破綻したことで世界の金融市場は極度の不安に陥り、カウンター・パーティーリスクが強まり、各国の中央銀行は大量の資金供給を行ったのである。

 リーマン・ショックにより、巨大金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米政府は金融機関を破綻させない方針に転じ、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明した。

 金融機関の不良債権と資本不足の問題に対し米国財務省は最大7千億ドルを投入し金融機関の不良債権を買い取る「緊急経済安定化法案」を議会に提出したが、9月29日に下院で否決された。これは金融市場に再び大きなショックを与え、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。

 米議会は10月3日にこの法案を多少修正した上で認めた。財務省は法案が採り得る施策の自由度が高いことを利用し、この資金を不良債権の購入ではなく金融機関への資本注入に充てることにしたのである。

 アメリカのサブ・プライム問題を発端とする金融危機は世界経済を直撃し、異例のスピードで景気が悪化した。アメリカの雇用は2008年全体の非農業雇用者数は258万人減となり、これは第二次世界大戦が終わった1945年に次ぐ水準となった。2008年は年間ベースで先進国が同時に不況に陥ったが、これは第二次世界大戦後初めての事態となったのである。
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by nihonkokusai | 2009-09-15 09:46 | 投資 | Comments(0)
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