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「鳩山代表による国債発行額抑制発言」

 民主党の鳩山由紀夫代表は23日にテレビ朝日の報道番組で、政権を獲得した場合の来年度の国債発行額について「(今年度より)増やさない。増やしたら国家が持たない」と述べ、縮減に努める考えを示した。

 今年度の国債の新規財源債(建設国債と赤字国債)の発行額は、当初予算では33兆2940億円となっていたが、補正後の予算では44兆1130億円となっている。鳩山代表は今年度より増やさないとしたが、その前提となる数字は当初予算の33兆2940億円なのか、それとも補正後の予算では44兆1130億円なのかは明言していないようだが、発言内容からは補正後の44兆1130億円を意識したものと思われる。

 2001年の小泉政権の発足時には、国債発行額を年間30兆円に抑えるとの公約を掲げていた。今回の「今年度より増やさない」との民主党党首の発言は、この公約に近いものと捉えてよいのであろうか。

 来年度予算における新規財源債の発行額が44兆円規模については、それが可能なのかどうかは不透明な要素が多いことも確かなようである。

 財務省の「平成21年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」(http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy2102a.htm)を見ると、2010年度の歳出は91.1兆円(国債費21.9兆円、地方交付税等17.0兆円、一般歳出52.1兆円)、そして歳入は税収が46.5兆円、その他税収が8.2兆円となり、この差額、つまり国債発行額は試算上36.3兆円となっている。

 しかし、税収に関しては、2008年度の税収が44.3兆円に修正されたことで、2009年度の税収額も大幅な下方修正は避けらず、税収見積もりの46.1兆円の達成はかなり厳しい状況となっている。そうなれば、平成21年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算による2010年度の税収予想の46.5兆円を大きく割り込むことも避けられない。加えて民主党が政策に挙げている道路特定財源の暫定税率が廃止されると、2010年度の税収は40兆円を割り込む可能性も指摘されている。

 民主党が打ち出した新規施策は16.8兆円規模となり、その財源が議論されているが、無駄遣いの削減や特別会計の剰余金などの埋蔵金の活用などが、どの程度の規模でできるのかは不透明でもあり、歳出規模が膨れ上がる可能性も否定はできない。

 このように今年度より増やさないとすることができるかどうかは現状はかなり不透明である。しかし、増やしたら国家が持たないと述べたからには、民主党が政権を握った際には、少なくとも今年度の国債発行額以下に押さえ込む努力を行なってほしい。
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by nihonkokusai | 2009-08-25 10:30 | 国債 | Comments(0)
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