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「2003年との比較」

 2003年5月に預金保険法102条に基づき金融機関への特別融資という形式で「りそな銀行」に約2兆円を資本注入することとなった。りそな銀行に対する資本注入によって、政府は大手銀行は潰さないといった意識が市場で強まり、その結果、株式市場では銀行株などが買われ、海外投資家の買いなどにより、日経平均株価は2003年4月の7607.88円がバブル崩壊後の安値に、その後上昇基調を強めた。

 ダウ平均は2007年10月11日に14279.96ドルの高値を付けてから、サププライム問題の深刻化や2008年秋のリーマン・ショックを受けて、2009年3月9日の取引時間中に6440.08ドルの直近安値を付けるまで54.9%下落した。しかし、その後、各国中銀による積極的な政策により金融システム不安は徐々に落ち着きを見せ、また米国や中国などを中心に政府も積極的な財政政策を行なってきたことから、景気の減速ペースも緩やかなものとなってきた。トピックス的な出来事としては、6月1日のGMの破綻があった。

 2003年の日本では、りそな銀行救済決定前に日経平均が底打ちし、2009年ではGMの破綻前にダウ平均が底打ちしていた点など、2003年の東京株式市場の回復と2009年の米国での株式市場の回復には似通った動きとなっている。

 2003年の日本経済は、米国や中国などの経済成長などを背景に徐々に回復し始めた。11月には足利銀行の経営破綻が明るみにでて、やはり金融再生プログラムに手順に従って国有化されたが、株式市場はこれらは悪材料としては捉えず、むしろ不透明感が払拭されてきたことなどからこれ以上の金融危機は回避されるとの見方が強まり、次第に日本における金融不安は解消に向かっていった。

 2009年も今後、欧米での金融機関の経営破綻が出てこないとも限らないが、2003年の日本における足利銀行の経営破綻時のように、これ以上の金融危機は回避されるとの見方が強まる可能性の方が高い。

 2003年以降、一連の資本注入ともに景気回復も手伝って、銀行の不良債権処理は加速し、2004年の三菱UFJフィナンシャルグループの誕生により不良債権問題は終結したといわれる。2005年3月期に大手銀行の不良債権比率は2002年3月期比で半減し、資本注入を受けた金融機関は相次いで公的資金を返済したのである。

 欧米の金融機関における不良資産問題も、今後徐々に解決に向かい、多少期間も必要と思われるが、いずれ今回の金融危機が収束してくるものと思われる。その時期等の見極めには2003年の日本の状況がひとつの参考となるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-07-29 10:49 | 国際情勢 | Comments(0)
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