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「日経平均1万円台回復と日本経済」

 27日に日経平均株価は再び1万円の大台を回復した。4~6月期の企業決算が予想を上回ることが多くなった米国の株式市場が連日上昇し、さらに中国などアジア株やドイツなど欧州の株式市場が6月高値を抜いてきた。これに対し、日本株は政局の先行き不透明感の強まりなどもあって上値が重く、7月13日には9050円と9000円近くまで下落していた。しかし、さすがに日本株の出遅れ感も意識され、海外投資家主体に買いが入ったことで、日経平均株価は1万円台回復となった。

 これを見る限り、今回の日本株への買いが日本経済の先行きへの期待感によるものというよりも、他市場との比較による後ろ向きの買いであったといえる。日本経済への先行きについては、まだまだ悲観的な見方が大勢である。先行き二番底を形成するといった見方も強く、これが株式を積極的に買い上げられない要因となっている。しかし、今回の日経平均1万円台回復が期待感による積極買いではないとなれば、意外としぶとい相場上昇になる可能性がある。過去の経験則からも期待感により買ったときよりも、いたしかたなく買ったときの方が儲かるときが多い。

 景気の先行き不透明感が強いことで、株高による債券市場への影響も限定的となっている。10年債利回りは日経平均の直近安値をつけた7月13日には1.295%と1.3%を割り込んでいたが、その後、米株の上昇や米債の下落も手伝って、7月23日と27日に1.395%をつけ、13日からちょうど0.1%の利回り上昇となった。これに対し5年債の利回りは13日の0.660%から22日に0.710%まで上昇したが、この間の利回り上昇は0.05%に止まった。債券相場はこの中期主体に銀行など余剰資金を抱えた投資家の買いが下支えとなっていたことが伺える。

 日銀の門間調査統計局長は22日のアナリスト協会でのセミナーにおいて、日本経済の現状についてリバウンドとダメージのせめぎ合いとの表現を使った。リバウンドという面では、政府による経済政策や中国の経済成長に支えられた自動車や電気機械を中心とした輸出と生産の回復が代表的なものとなろう。これに対してダメージという面では、雇用や設備投資の悪化が上げられる。どちらに焦点を向けるかによって、日本経済への見方が変化してしまう。このため先行き見通しについては「不透明感」が強いとの表現を使わざるを得ない。

 しかし、昨年秋のリーマンショック後の世界的な経済金融危機を、すでに脱してきていることは確かなものであろう。今後、あれだけの歴史的なショックが数年内に再来する可能性はない。大震災はすでに起きてしまっており、その復興対策がすでに講じられてきている。回復にはある程度の時間もかかろうが、今後、またすぐに起きるかもしれないと大地震ばかりを恐れていると、先行き見通しを誤る可能性もある。

 今回の日経平均1万円回復は、ひとつの通過点となるのではなかろうか。衆院選の結果次第では日本の政権が変わる可能性も出ており、こういった不安定要素はあるものの、日本経済の自律的な回復は今後も進むものと考えている。そうなれば長期金利もじりじりと上昇基調を強めてきてもおかしくはない。
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by nihonkokusai | 2009-07-28 10:19 | 景気物価動向 | Comments(0)
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