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「IASBの有価証券新区分案」

 2009年7月14日付けでロンドンに本部をおく国際会計基準審議会(IASB)から金融商品の分類と測定に関するIAS39の改訂(公開草案)が公表された。企業が保有する株式や債券の区分が簡素化されるが、19日の日経新聞が報じたところによると、日本の金融機関の決算への影響も大きく反発の声が出ているようである。

 この素案によると有価証券の分類を「時価評価して決算で損益計上するもの」と「しないもの」の2種類のみに分類し、これまでの「満期保有投資」や「売却可能金融資産」といった複雑な分類を大幅に簡素化する。

 我が国の現在の区分は、「金融商品に関する会計基準」により、「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社・関連会社株式」「その他有価証券」の4つに分類される。現在、銀行などを中心に国内金融機関の保有する大半の国債は、この中の「その他有価証券」に分類されている。

 この「その他有価証券」が、新基準の「時価評価して決算で損益計上するもの」に分類されれば、決算そのものに大きな影響を与えてしまうこととなり、計上しない償却原価となれば、売却益を当期損益に組み入れるといったことができなくなる。

 このため、もしこの区分案が採用されると、特に国債の大口保有者である銀行などの国債保有に大きな影響を与え、国債需給そのものへの影響を指摘する声もある。実際に市場では6月末からの債券相場の上昇課程で超長期債を購入した銀行などが、このIASBの有価証券新区分案の公表をきっかけに売却を急いだのではないかとの観測もあった。

 今後のIASBの有価証券新区分案にも注意しておく必要がありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-07-24 10:18 | 債券市場 | Comments(0)
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