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「政府と日銀の景気判断」

 政府は6月の月例経済報告で、景気の現状認識を示す基調判断から「悪化」の表現を削除する方針を決めたと報じられた。「悪化」が消えるのは2008年11月以来の7か月ぶりとなる。基調判断は2か月連続の上方修正となる。

 日銀も6月16日の金融政策決定会合で、景気の判断を「わが国の景気は、大幅に悪化したあと下げ止まりつつある」として、前回の「わが国の景気は悪化を続けているが、内外の在庫調整の進捗を背景に、輸出や生産は下げ止まりつつある」から、やはり2か月連続で景気の現状判断を上方修正させてきた。

 政府も日銀も正確には景気認識を上方修正させてきたというよりも、リーマン・ショック後の金融経済危機に伴う景気の急激な落ち込みにブレーキがかかりつつあることを示したものとみられる。

 6月16日に日銀が発表した「当面の金融政策運営」によると、「企業収益や雇用・所得環境が厳しさを増す中で、民間需要は弱まっている一方、輸出・生産は持ち直しに転じつつあるほか、公共投資も増加している」としている。

 5月22日の「当面の金融政策運営」では「今後は、国内民間需要は引き続き弱まっていくとみられるが、輸出・生産は下げ止まりから持ち直しに転じていき、公共投資も増加していくと予想される」としており、この予測に沿った動きであったことを示している。

 リスク要因に関しては、「景気については、国際的な金融経済情勢、中長期的な成長期待の動向、わが国の金融環境など、景気の下振れリスクが高い状況が続いていることに注意する必要がある」と5月22日の文面とまったく同じものとなっている。

 政府と日銀は景気判断に関しては足踏みを揃えているようだが、やや政府の方が踏み込んだものとなっているのは多少なり衆院選挙を意識したものなのかもしれない。日銀についてはまだ慎重な姿勢を崩していない。白川総裁は講演などで今年度後半以降、緩やかに持ち直していく姿が展望できるとの姿勢を示しながらも、「見通しに関する不確実性は引き続き高く、とくに下振れリスクには留意する必要があると判断している」と述べている。

 日銀が実際に景気の底打ちを意識するとすれば、7月発表の短観を見てからになるのかもしれない。大企業製造業DIは前回3月調査のマイナス58から大きく改善を示すことも考えられ、日銀の想定以上に企業経営者の景気認識が回復している可能性がある。
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by nihonkokusai | 2009-06-16 13:32 | 景気物価動向 | Comments(0)
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