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「今後の日銀国債買入の行方」

 政府・与党の追加経済対策にともなう国債の追加発行の総額は16兆円程度となる見通しである。補正予算での財政支出は15.4兆円だが、このうち特別会計の積立金や予備費の取り崩しなどで約5兆円を補い、残り10兆円については建設国債と赤字国債の発行で補う。

 対策の財源には財投も活用され、この財政投融資が7.8兆円追加される方針で、これには主に財投債の追加発行で補われ、約6兆円程度の財投債が発行される見込みとなり、建設国債と赤字国債に財投債も加えた国債の追加発行額は都合16兆円規模となる。

 ただし、ここには政府の経済見通しの見直しに伴う5兆円規模とみられる2009年度の税収見積もりの下方修正分は含まれていない。さらに2008年度の税収不足分の5兆円規模も加えると、年末にかけてさらに10兆円規模の国債増発要因になる。

 3月の金融政策決定会合で日銀は国債買入を年間4.8兆円程度増額しているが、今後、追加経済対策における国債増発と税収不足による増発を合わせると少なくとも26兆円もの国債増発の可能性が現時点で想定される。この規模となれば、市中だけでは消化がなかなか難しくなることも想定され、日銀によるさらなる国債買入を望む声が強まる可能性がある。

 しかし、国債買入増額を決めた3月17、18日の金融政策決定の議事要旨では、「このペースで国債買入を行っていくと、先行きの銀行券の伸び次第ではあるが、数年間のうちに銀行券発行高に近接していく可能性は高く、追加的な買入余地は自ずとかなり限定されてくるとみられる。」との執行部からの発言があった。

 また、「委員は、銀行券ルールは、第1に、円滑な金融市場調節を確保するという目的を示す、第2に、長期国債の買入が、国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではないということを明確にする、という点で重要であるとの認識で一致した。」とあるように、日銀は表面上、財政ファイナンスを目的とするものではないとの姿勢を貫くものとみられる。

 こうした中での日銀の国債買入増額はなかなか難しい。いずれ銀行券ルールを撤廃することも検討する必要もありそうであるが、その際にどのような理由で撤廃するのか。

 実体経済動向を無視して需給悪化により長期金利の上昇基調が強まり、金融市場全般に危機意識が強まるようになれば、金融市場安定化という目的でこの制限を撤廃する、といったケースも考えられるかもしれないが。
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by nihonkokusai | 2009-04-14 10:06 | 日銀 | Comments(0)
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